*ガンダム00(そのに)*
□すきの温度
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彼の温もりが切なくて、愛おしい。
「ティエリア…頼むから、泣くなよ…」
ぐっと、抱き締める力が強くなる。
「俺は…大切な人を守ることが出来た。それが嬉しいから」
腕の中の温もりを確かめるように、目を閉じて、囁かれた言葉。
たいせつなひと
「…っ…仲間、なんて言いながら…僕たちはお互いのことは何も知らない。そんなヤツのことなんかっ…放っておけば…よかったのにっ…」
嗚咽混じりの声でどうにか言葉を繋ぐ。
「俺は只の仲間なんて思ったことはないぜ、ティエリア」
真剣な声色。独特の、低い声。息を吐き出すように吐き出される心地のよい声に耳を傾けていると、ふと抱きしめる腕が緩まる。
真剣な瞳と目が合う。
今はもう片方しかない、綺麗な宝石。
「…好きだ」
少し切なそうな、熱っぽい瞳に射抜かれて目を反らすことも出来ない。
ぴくんと、心臓が跳ねる。
体がとても熱い。
こんな熱さは、知らない。
顔に熱が集まるのが分かる。今の僕はきっと…真っ赤だ。
「うわ…ティエリア…」
僕の顔を見て、何かに耐えるような顔をするロックオン。暫しの沈黙の後、堪らないといった表情で俯いた彼が
「悪ぃ…キス、させてくれ」
少し切羽詰まった声で囁いた。
「…ロックオン……ストラトス……っん…っ」
頬を包む優しく大きな両手と、触れ合う唇がひどく熱くて
確かめ合うように、奪い合うように何度も何度もキスをした。
あぁ、これが、人を欲するということか
これが、人の温もりか
絡まる指先が痺れる。
抱き寄せられる腰が震える。
どうにかなってしまいそう。
「…っ…ふぁ…っ」
失ってしまったものは元には戻らない。
なんて儚い…人間なんて。
ああだから、こんなにも愛おしい。
生きていてくれてありがとう、ロックオン…
あなたがこうやって温もりをくれる間は、僕も生き続けよう。
「ロックオン…」
「ん?」
「…あいしている」
「…あぁ、俺もだ」
どうかこの温もりを感じながら
あと少し…
*END*
ロックオンがたまらなく好きでした、いや、好きです(´;ω;`)