*ガンダム00*
□ぼくがあなたにできること
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ハレルヤの心音を感じで目を閉じる。
それは確かにハレルヤの存在を示して規則正しく動き続けている。
ふたりでひとつの体、その片方がこんなにも寂しいと泣いている。
「ほんと寂しかったんだ。けど」
そう呟いて一層強く抱き締められて吐息が漏れた。
「だけど、お前がいてくれた」
ありがとなって、照れながら言ってきた。
もう、なんで、そんなに。
「…っ…く…」
「酷くして悪かった。」
そう言われて顔が熱くなる。
ほんと、まさかそんなこと言われるとは思ってなくて。
「…はれ…るや…っ」
ぼろぼろ溢れる涙を拭うことも出来なかった。
「泣くなって」
そっと降りてきたキスにゆっくりと瞳を閉じる。
あぁそういえば、キスをするのは初めてだ。
離れる唇を名残惜しいと思っていたら、ハレルヤがキスって気持ちいいんだなって呟いた。
「なぁ、優しく抱かせて。思いっきり」
そっと組み敷かれて耳元に落ちる言葉に一瞬で熱くなる。
酷くしてくれて構わないのに。ハレルヤの寂しさが少しでも和らいでくれればそれで。
そう思っていたのに。
彼の心まで、求めてしまってもいいのだろうか。恐る恐る手を伸ばすと、黄色の瞳が嬉しそうに笑うからまた涙が出た。
「ティエリアも、欲しがってよ。俺を」
手の甲に落ちてくる唇にふるりと震えて目を閉じる。それを合図に激しいキスが降ってきて呼吸もままならない。
「ハレルヤ…はれ、るやっ…ふぁ!!」
ずくずくになった体は突かれる度に溶けていって甘い声をあげる。
褐色の逞しい体は、宣言通り嫌になるくらい優しく優しく僕を抱いた。
寂しさを埋めるためじゃなくて、寂しさを分け合うためでもない。
ただゆっくりと、お互いを愛しいと思う気持ちだけでひとつになる。
その気持ちよさを噛み締めて、そっと好きだと囁いてみた。
キスのあと同じ言葉が返ってきたから、なんだか胸が痛くなってまた泣いた。
*end*