*ガンダム00*
□さわって溶かして
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アレルヤが、ティエリアが最近不眠らしいと言うので心配になって部屋に来てみたら、
殺風景な部屋の隅で、小さく体を丸めたティエリアがうずくまっていた。
「…ティエリア!!」
「ろ…ロックオン…やだ…触るなっ!」
あわてて駆け寄り肩に触れようとすると、強い口調で拒絶された。
驚いてティエリアを見ると、明らかに様子がおかしい。額に汗を浮かべて荒い息を吐き、小さく震えていて。
とても普通とは言えなくて。いつも凛と立つ彼の、とても弱々しい姿に戸惑う。
「大丈夫かティエリア…苦しいのか?」
「大丈夫…だから…」
早く出て行けとでも言わんばかりの口調に少し苛立ちを感じた。弱さを見せたくないとでも言うのだろうか。
俺には、ティエリアを心配することも許されないのか。
「ティエリア…分かった。出て行くから、せめてベッドに運ばせてくれ、な?」
「やっ…やめ…んあっ!!」
指先が肩に触れた途端、びくびくと体を震わせたティエリア。
「…ティエリア!?」
「…ハレルヤが…良く眠れる薬、だって…それ、飲んだら…おかしく…っ」
途切れ途切れに吐き出す言葉は酷く気だるげで、それでいて熱を帯びている。
薬を飲んだ?それを飲んでこうなったと言うのか。
自身の肩を抱いて、がくがくと震えながら必死に何かに耐えている様子のティエリア。
自身が身を預ける床にさえ感じている様子で。
…感じている?
ああ、そうか。
おそらくティエリアが飲んだのは…
「ティエリア…」
大きな瞳からぽろぽろと零れる涙はひどく不安に満ちていて。
見ているだけで、痛々しかった。