*ガンダム00*

□雪解けと太陽
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「雪ってさ…ティエリアみたいだ」

降り続く雪を見て、僕のようだと言うロックオン。

「真っ白くて、純粋で…綺麗で。儚い」

と微笑まれて思わず見惚れる。

僕なんかちっとも純粋なんかじゃない、ちっとも綺麗なんかじゃないのに。

年齢を重ねることもなく、只ヴェーダの命令によって行動する。
感情さえとても不完全で、本当どうしようもない生命体。

こんな僕が綺麗なはず、ない。
そう吐き出そうとした言葉を飲み込んで、溢れそうな涙をぐっと堪えた。

ロックオンの隣に座り、空を仰ぐ。
灰空から白い雪が舞う。

太陽の熱でじわりと溶かされる、雪。
太陽の光を集めて輝く水へと変わり、そっと大地へかえるそれを、僕と言うのなら。

「ならば…あなたは太陽だ」

強い意志と、時に柔らかな熱をくれる存在。
じわりと胸の奥まで温めて、幸せな気持ちにさせてくれる。

太陽に恋をした雪は、只溶かされて消えるのみ、だけど。

頬に落ちた雪が冷たくてふるりと震えると、後ろからふわりと抱きしめられて戸惑う。

「っ…ロックオン…」

「太陽は…雪が恋しいみたいだ」

好きだよ、と。
抱きしめられながら囁かれるなんて。
これは夢だろうかと、一瞬思考回路が停止する。

耳元に落ちる静かな声。
頬にそろりと触れてくる指先からびり、と電流が流れる。
いつもは手袋をしている無機質な手が、直接触れてきて。
その冷たい手が何故かとても嬉しいと思った。

向かい合った後、少し乾燥した唇がそっと触れてくる。

いつの間にか雪は降り止んでいて、雲間から太陽の光が降り注いでいた。

ロックオンの甘いキスに溶かされながら、ゆっくりと目を開けると

「…きれい…」

降り積もった雪の結晶が、太陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。



*END*
お題は、
☆ロクティエ
☆地上デート
☆後ろからぎゅ
☆告白
☆キス
でした♪頑張ったつもりですが、如何せんあまり甘くならなかったです…すみません…(´;ω;`)
リクありがとうございました!!
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