*ガンダム00*
□あだゆめ
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「こいつは俺の仲間なんでね。悪いが連れて帰るぜ。」
ロビーで部屋の鍵を受けとる二人に足早に近付き、ティエリアの腕を乱暴に掴む。
「なっ……ロックオン!?」
いきなり目の前に現れた男に驚きを隠せないのだろう。大きな目をさらに大きく開いて見つめられる。
連れの男も相当驚いている様子で、さっきから「誰だお前」だの「何なんだよ」だの言ってくるが、それを綺麗に無視して出口へと歩く。
「ちょ…おい待てよ!そいつは俺が買ったんだよ!横取りする気かてめぇ!!」
無視を決めこむロックオンにとうとう男がキレたらしく、大股で近寄ってきた。
「買った、だと?」
「そうだよ。お前も買うんなら俺がヤッた後にしてくんねぇ?」
下品にそう吐き捨てた男に、言いようのない殺意が生まれる。あぁ、腹わたが煮えくりかえりそうだ。抑えが効かない。
「…この距離なら狙い撃たなくても確実にあたるぜ」
躊躇いもなく銃を取りだし、男につきつける。
「じゃあな」
突きつけられた重たい銃口に、驚いて腰を抜かす男をよそに、ティエリアの腕をつかんで出口へと歩き出す。
荒々しく掴まれた細い腕は、体は、まるで見ないでくれとでも言いたげに、小刻みにガタガタと震えていた。