*涼宮ハルヒ*

□チョコレイトキス
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「ちょ…キョン君?」

「いいから来いっ」

頭に?マークを沢山つけた古泉をよそに、俺はヤツの手をひいて歩く。

繋がる手の温もりにひどく安堵して
それでももっと、もっとくっつきたい

クソ…家が遠い…

はやく、はやく

「キョンく…」

「お前にっ…」

「え?」

「お前にっ…逢いたかったんだよ!……悪いかっ」

「…キョンくん…」

恥ずかしくて死んでしまいたい気分だが、恥ずかしさよりももっともっと強い感情が俺を動かしていた

こいずみ…


「キョンくん……こっち!」

少し強い声

家までの距離に焦れてとうとう走り出した俺の手を引き、薄暗い路地へ導く

「こいず…んっ」


誰もいない路地裏で
吐息まで奪われるようなキス

「…っん…ぁ…ふ…くるし…」

濃厚で、あまいあまいキス
息も止まるような幸せ

「溺れて…」

もっと僕に、溺れてください

激しくて優しいキスに酔いながら
チョコレートみたいに溶かされて

切なさとドキドキで、胸が痛い

「キョンくん…どうしましょう…すごく、うれしいです」

逢いにきてくれてありがとうと、綻ぶような笑顔で言われてまた胸がキュっとなった。

しんぞう何個あっても足りないな

でも、悪くない。
俺も嬉しい、なんて口が裂けても言えそうには無い俺だけど

寒い夜に、あったかいぬくもりに触れることが出来る幸せをそっと抱きしめた。
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