*涼宮ハルヒ*
□とけあうからだ
2ページ/4ページ
「こい…ずみ…」
こたえるかわりに髪に手を差し込まれ、ゆるゆるとなでられる。
さらさらの感触を楽しむように。大丈夫だ、とでも言うように。
あぁやっぱりあなたはとてもきれいだ。なんだか泣いてしまいそう
「…っふ……ぁ」
どちらからともなく見つめ合ってキスをする。
目を閉じて感覚を味わう、やさしいキス。
このまま溶けてしまえたら、なんておざなりな言葉がふと浮かぶ。
「おれ…おまえと…溶け…ちまいそぉ…あちぃ…」
唇を押しつけながら、にやりと笑ってそんなことを言う彼。
「読みましたね…僕の心」
「ばぁか、オレはっ…そんな力…持ってねぇよ」
触れ合う唇のくすぐったさに笑いながら、それでも口付けは一層深くなるばかりで。
「っぁあ…やっ……もぅ……いっ…いくっ…っぁぁあ!!」
「キョン…くん……んっ…」
びくん、と細い体がしなる。彼の奥に熱を吐き出す。
「…っ…はぁ…っ」
倒れてきた重みに、彼が意識を手放したのだと分かる。余韻に浸る間もなく自身を引き抜く。
「っぁ…」
ずるり、と音をたてながら引き抜かれるそれ。そんな音にさえ無意識に感じる彼。
「すみません…僕はあなたに…なんてことを…っ」
偽りの甘い時が終われば、残るのは後悔ばかりで。
返事の返ってこない体を抱き締め、ただ震えながら謝罪の言葉を紡いでいた。