*涼宮ハルヒ*
□それでもぼくは
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(……て…ください、ね……)
(ぇ、なん…ぁっ…)
あのとき、やつは何て言ったんだろう。
消える前の、さいごの夜。
俺は古泉の動きに付いて行くのに精一杯で
必死にしがみついていたら
肩のあたりから、なんだか切羽詰ったような古泉の声。
熱い吐息にさえひどく感じてしまって
俺は震えながら、ただただ必死に頷いていたんだ。
あのとき…ヤツは何て…
「くそ…なんだってんだよ…」
モヤモヤを拭い去れないまま、それでも時間ばかり過ぎていって
気付けばあんなに暑かった夏が終わり、肌寒い風が吹く季節になっていた。
けれどあいつは、戻ってこなかった。