*ガンダム00(そのに)*
□あした、てんきになあれ
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*あした、てんきになあれ*
久しぶりに地上に降りて、のんびりと休暇を楽しむ。
一人でふらふらと散策でもしようかと思ったけれど、どうも仲間が心配で。
――ロックオン、みんなのこと頼んだわよ〜
結局ミススメラギにも頼まれ、マイスター4人で過ごすことになった。
(まったく、ミススメラギは…いっつも俺を保護者扱いするんだからなあ…)
そう愚痴を零してみるものの、実際のところそれほど悪い気はしない。
出会ったころはギスギスしていたマイスターたちも次第に皆心を開いてきたように思う。
信頼を越え、まるでそれは家族みたいな温かさ。
地上に降りた後、ホテルの一室で何をするでもなく4人で過ごす。
何も話さなくても、何もしなくても、そこに流れる空気は穏やかで優しい。
この空気が、遠い昔に無くしてしまったそれと似ているのではないかと思う。
もうあまり覚えてはいないけれど。
優しくて、なんだか心地よい。
もちろん手放しで幸せとは呼べない、危なくて脆いものだけど。
「よし、外いこうぜアレルヤ!女狩りだ」
「なっ、何言ってるのハレルヤ!もう!」
一人で(いや、二人と言った方が良いか?)ぶつぶつと話すアレルヤに、目立つ行為は避けてくれよと釘を刺した後、
床に座ってハロを転がしている刹那に視線をやる。
(刹那、髪伸びたな。俺が言わない限りどんなに伸びても放置するんだからなあ、こいつは)
「刹那、だいぶ髪伸びたな…切ってやるぞ」
「俺がガンダムだ」
うん、会話になってないぞ、刹那。
やれやれと思い視線を流すと、部屋の隅でソファに姿勢良く座り、黙々と本を読んでいるティエリア。
ティエリアを見るとやはり自然と笑みが零れる。
俺が誰よりも守りたい存在。
意地張って不器用で…でも精一杯で可愛くて。
堪らなく愛おしい。
「…何か、用でしょうか」
じっと見ていると、視線に気付いたティエリアが訝しそうに呟く。
何でもないよと微笑むと、不思議そうに眉を顰めた後に再び視線を本へと戻した。
一見冷たいやりとり、だけど。
ティエリアの頬が、ほんのり赤くなったのを俺は見逃さない。