*ガンダム00*
□愛が欲しいのは僕の方だった
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ずっと愛を知らずに生きてきたティエリアに、ありったけの愛を注ぎたい
優しくキスをして、愛してるって何度も囁く
すると少し照れながら俯いて、赤い顔で微笑むティエリア
可愛い僕だけの、ティエリア
なのに…
*愛が欲しいのは僕の方だった*
ミッションが終わり、スメラギさんが指定した時刻まで各自部屋に戻って休息を取る。
気怠さと疲れを抱えながら部屋に帰るその途中で…僕は見てしまったんだ。
「…ティエリア…」
ロックオンが、ティエリアの頭を撫でていたのを。
その後、肩を抱いてティエリアの部屋まで送っていったのを。
思わずその場に佇んだ。
頭の中で、このまま見過ごしていいのかと問う声が聞こえる。
ハレルヤか…それとも、自分自身か。
拳をぐっと握り締め、ティエリアの部屋のドアをノックした。
「アレルヤ…どうしたんだ?」
少し驚いた様子のティエリア。
そろりと頬を撫でると、くすぐったそうに微笑む。
「ねぇティエリアは…ロックオンのこと好きなの?」
「…アレルヤ…何、言って…」
訳が分からないと言った様子のティエリア。
構わず部屋の中に入り、鍵をかけた。
この部屋みたいに、世界が僕とティエリアだけだったら良かったのに。
鍵をかけて、真っ白い部屋で二人きり、ずっとずっと微睡んでいられたら…
でも、そんなことは叶わないって分かってるから。
僕だけ見て、なんて言わないから
おねがい
「お願い、僕だけ…愛して」
「アレ…ルヤ…痛っ!」
細い手首を掴んで壁に押し付ける。
潤んだ瞳が、怯えた色に染まる。
「ねぇ、どうしてロックオンに肩なんて抱かせたの?」
ティエリアがハッとした様子で見つめてきたから、ああやはり、と思った。
そのまま噛み付くようなキスをすると、薄く瞳を開き震えながらも必死に答えようとする。
強引に舌を吸うと、ティエリアがびくりと反応した。
「ロックオンと、キスしたいと思った?」
「そんな、思ってな…っ!!ふぁ…ん」
首を左右に振りながら必死に否定するティエリアが嘘を付いているとは思わないけれど。
僕は、止まらなかった。