*ガンダム00*

□あいしてるって言っちゃやだ
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僕が愛して止まない人が
僕のことを愛してくれる。

こんなにも簡単で単純なことなのに、どうして叶わないのだろうと思う。

僕が愛して止まない彼は、僕じゃない人を愛していて

今日もその人のことを想いながら僕の体を抱きしめる



*あいしてるって言っちゃやだ*



薄暗い部屋で、僕の奥を甘く穿つ綺麗な体。
優しく髪を撫でてくれるその手の温もりに涙する。
嬉しいのに、悲しい。

僕のものじゃないこの長い指は、
片目を覆う、あの漆黒の髪に触れたいと願っている。
愛してるって言って、彼の孤独を癒してあげたいと思っている。

ずっとずっと願い続けて、それでも叶わないと知って苦しんでいる。

だからそこに付け込んだ僕。
なんて、最低。
この髪が黒かったら
この目が左右別の色であったら

あなたは僕のものでいてくれる?

そんなことをぼんやり考える。
無理だって分かってるから、また涙が溢れた。

もう何度目か分からない、くだらない交わり。
代用品でしかない僕。
せめてロックオンが、この体で気持ち良くなってくれますように。
彼のことを想いながらでも、いいから。

「…っ」

繰り返される律動に、腰に触れる手のひらの熱さに
零れそうになる声を必死に抑える。

せめて声を殺すことで、その役に徹しようとする。
アレルヤ・ハプティズムという固体になりきることで、抱かれることを許されるこの体。

優しく抱きしめて貰うための、ささやかな努力。

「…る、愛してる…」

ロックオンが…耳元で愛していると囁く。
言わないで…言っちゃやだ…

あいしてるって言っちゃやだ

勘違い、してしまいそうになるから

「なぁ、声、出して…聞かせて」

「…っ…」

涙を沢山溜めた目尻にそっとキスをしてくれるから、
ふるふると首を振ることで、抵抗の意を表す。

「…っぁ!」

突然突き上げられて声が漏れる。
激しい律動に、もう声を抑えられなくて

「やぁ…やだ…んぅ…!」

「なぁ、愛してる…あいしてる………ティエリア」


お前をあいしてる、だなんて。

「ろっく…おん…」

幻聴みたいなその囁きを聞いた後、
びくりと欲を放った僕は、そのまま意識を手放した。




*END*
どこまでも悲恋(片想い)が書けない管理人ですみません。
ティエに幸せになって欲しいんです(´;ω;`)
拍手ありがとうございました♪
 

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