*ガンダム00*
□雪解けと太陽
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吐き出される息が、白い結晶となって舞う。
やがて空気に溶けて消えるそれを、とても美しいと思う。
少し前を歩くロックオンの背中を見ながら、吐き出しそうになる想いをぐっと飲み込んでそっと溜息を吐いた。
こんな気持ち、可笑しいって分かってるから。
*雪解けと太陽*
久しぶりの休暇だった。
地上に降りたは良いが、雪が降り続いていてとても寒い。
ホテルの自室で本を読んでいると、外へ出ようとロックオンに誘われて。
寒いからと断ったけれど、半ば強引に連れてこられた。
一足ごとに、大地がさくさくと音を立てる。
歩きにくい…と愚痴を零す僕の横で、既に歩くことを放棄したロックオンがぼふんという音と共に、純白の毛布に寝転がった。
「寒くないのか?」
と問うと、
「寒いさ」
と、当たり前の様に返される。
ならば早く部屋に戻ればいい、そう告げようとするが。
「でも、この寒いのがいいんだ」
冬って感じだろう?と言われ、思わず眉をひそめた。
「地球はさ、季節ごとに気温も景色も違うだろう?それを見るのが、好きなんだ」
と。
「春には、きっと一面花畑だなぁ」
楽しみだ、なんて言いながら、春に想いを馳せる彼。
冬が終わり、やがて春が訪れる。
当たり前に訪れるその季節が、
次に来る季節を想うことが、
幸せなのだと彼は言う。
可笑しいかな、なんて笑うから心臓が高鳴った。
視線を逸らして
「そんなことはない」
って言うのが精一杯だった。