*ガンダム00*
□ちっちゃくったって
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僕はティエリア・アーデ。ガンダムマイスター唯一の女だ。
女と言っても、今の所はソレスタルビーイング内では男として生活している。
別に隠すつもりも無いが、馴れ合うつもりもない。皆が僕のことを男と思っているのなら別にそれでいい。訂正するのも面倒だ。
…と、思っていたのに。
*ちっちゃくったって*
「…はぁ」
今月もこの憂鬱な一週間がやってきてしまった。この憂鬱さ…本当に、女であることが嫌になる。
お腹が、痛い。
「…くそっ…なんで、こんな…」
ずきずきと痛むお腹を抱え、長い廊下をふわふわ漂う。
もう前へ進む力も無いくらい痛い…あぁ痛い。
ここが宇宙で良かった。地上ならば自分の足で歩かなければならない所だ。
生理痛が酷いこんな日に、自分の足で自分の体重を支えながら歩くだなんて億劫過ぎる。
「だから…っ地上は嫌いだ…うっ…」
愚りながら部屋に向かう。今日はミッションが無くて良かった。
「よーティエリア〜お疲れさん♪」
プシュ、という音と共に、廊下に面した部屋のドアが開いた。
「ロックオン…」
いつものように軽い口調で近付いてくるロックオンを一瞥する…が、呟く程度の声しか発することが出来ない。
「…おい、ティエリア大丈夫か!?顔が真っ青だぜ?」
はぁはぁと荒い息を吐く僕を見て、只ならぬ事態だと思ったのだろう。
ふよふよと廊下に浮かぶ僕を抱きかかえ、慌てて自分の部屋に入るロックオン。
ふわっと抱きとめられる体温の温かさに涙が出そうになる。ゆっくりとベッドに寝かせられ、抗う力も無い僕は、滑るようにベッドに横たわった。
「苦しいのか?ティエリア…」
心配してくれる優しさに、申し訳なさが込み上げる。あぁなんて失態だ…仲間に弱さを見せてしまうなんて。
「…すまない…っ!?」
息苦しいのだと察した様子のロックオンが、僕のカーディガンを脱がせ、シャツのボタンを外していく。
「やめ…ロックオン…」
ぷちんぷちんと外されるボタンの音を聞きながら、ロックオンが驚き手を止め口をあんぐり開けるまでを…まるで夢でも見ているかのように、ぼうっと眺めていた。