*ガンダム00*
□しようぜ
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もう住み慣れてしまった薄暗い部屋の中で一人、ただ天を仰ぐ。
今日も人を殺した。数えきれない人を。戦争根絶なんて言いながら、僕は今日も人を殺す。軽々と。
「僕は…」
言葉とも溜め息ともつかない声を吐き出してから立ち上がる。ひどく気分が悪かった。
シャワー室に行き、熱い湯を頭からかぶる。罪が洗い流せるなんて思っていないが、少しでも汚いものが流れてしまえばいいと思った。
「シケたツラしてんじゃねぇよ」
ふと何処からともなく聞こえた声。あぁ、彼が来たのかと理解する。
「…ハレルヤかい」
二重人格、と呼べばいいのかは分からないが、僕の中にはもうひとりの僕、ハレルヤが存在する。とても狂喜的で、かつ強い存在だ。
そう、強いのだ。力ではない、心が。僕はきっと彼には敵わないだろうと思う。土壇場で足がすくみ、ミッションの後は憂鬱さに押し潰されそうになる。そんな僕とは正反対だ。
「そんな顔じゃあ色男が台無しだぜ?」
「ふっ…自分の顔じゃあないか」
シャワーを浴びながら、目の前の鏡に語りかける。彼と話すと、いつも心なしか気持ちが安らぐ自分がいた。
ハレルヤも、紛れもなく僕自身だというのに。不思議な話だ。