*ガンダム00*

□あだゆめ
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いつも背筋をぴんと伸ばしてまっすぐ歩く

その後ろ姿は何故だかひどく寂しそうで


追い掛けて抱き締める


…抱き締め返してはくれないけれど



**あだゆめ**



いつも怒ったみたいな顔で、たまに泣きそうな顔をして


ふと、ふわりと笑う


そんな彼、ティエリアに心を奪われるのにそう時間はかからなかった。

ティエリアが笑うと嬉しくなり、悲しい顔をすると訳もなく泣きたい気分になった。

欲しい、と。確かにそう思った。



「さてと…何処へ行こうかな」

ミッションを終え、久しぶりに地上に降りる。他のマイスター達も思い思いに休暇を楽しんでいるだろう。

俺は軽く食事を取り、何処へ行くでもなく町を歩いていた。

ふと視界の隅に、見慣れた紫の髪とピンクのカーディガン。

間違い無い、いや、間違うはずがない。ティエリアだ。

一緒にいる奴は背が高くてガタイの良い男…誰だ?

ティエリアに顔見知りがいてもおかしくはないが、いつも人と接しようとしない彼が、知らない男と歩いていることが何故かとても不思議に思えた。
わざわざ地上に降りることを伝えたのだろうか。それとも、偶然?

言いようのない感情がこみあげる。こめかみがギリッと嫌な音を立てる。

これは…そう、嫉妬だ。

気付かれないように二人の後をつける。早く離れろと思いながら。


しばらく歩いていると、ロックオンの視界にとんでもない光景が映った。

男がティエリアの肩を抱き、ティエリアも抗うことなくすぐそばにあるホテルへと入っていったのだ。

「マジ……かよ…」

目の前の光景が信じられない。あのティエリアが…男と?

今からティエリアはあの男に抱かれるのだろうか。あの綺麗な白い、細い体を…見ず知らずのあんな男に。


………許せない。
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