*涼宮ハルヒ*

□とあるクリスマス前のこと
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時は12月20日、町は赤だの緑だのの装飾品で飾り立てられ、毎年聞く度に溜息を溢したあの歌が町中に流れている。



「真っ赤なお鼻の〜トナカイさんは〜♪」



赤鼻のトナカイは果たして幸せだったのだろうか、などとぼんやり考えている場合ではない。
あと4日で12月の24日がやってくる。
いわゆる恋人達の日、クリスマスイヴっていう一大行事が。





*とあるクリスマス前のこと*





俺と古泉が恋人同士になったのはごく最近のことだ。
初めは戸惑いも無かったと言えば嘘になるが、今ではこう言っちゃなんだが結構仲が良い。

いや、とても良い…と思う。


まあ一応喧嘩も無く、しかしこれといって恋人っぽいこともせず(べ、別に何かして欲しいってワケじゃないぞ!)毎日のんびり過ごしている。




…いや、あったな、恋人っぽいことがひとつだけ。



あれは俺が古泉に告白された日のことだ。
俺は以前から古泉のことが気になっていたので、驚いたが素直に嬉しかった。だから戸惑うフリなんかしながらも頷いた。


しかし当然SOS団内で隠れて付き合うなんて出来るはずもなく、ほどなくしてハルヒ達に見つかってしまうワケだが。



「よくやったわ古泉くん!それでこそ男よっ!」



とハルヒに言われ、古泉が何故か驚いたような顔をしたのは俺の気のせいだろうか。まあいい。追求すべきはそこじゃない。
あろうことかハルヒが


「じゃあ今みんなの前で、誓いのキスをしなさいっ!」


なんて言うもんだから俺は自分の耳を疑った。
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