*涼宮ハルヒ*
□それでもぼくは
1ページ/4ページ
少しだけ
もう少しだけ、優しく接してやれば良かったなぁなんて
そんなこと考えたって後の祭りだって分かってるさ
だって普通思わないだろ?
やつがいきなり、俺の前からいなくなるなんて
**それでもぼくは**
最後の夜はどんなだったっけ
あぁ
俺はいつもみたいに悪態をつきながら
それでも手を繋いで寝たんだっけ
それなのに。
朝起きたら古泉は俺の前からいなくなっていた。
正確に言うと…
「え?コイズミ?誰よそれ」
…この世界から消えていた。
誰に言っても知らないと言われ
挙句熱でもあるんじゃないのと相手にされなくなった。
…何故だ?
一体やつはどこへ行ったんだ?
確かに、最近不可思議なことが沢山起きる。俺自身、認めたくはないが結構それなりに不思議なことへの免疫力も付いたさ。
やつ…古泉だっていきなり俺の前に現れたんだ、いきなり消えたってなんだか納得も出来るような気がする。
……でも、受け入れられない自分がいる。
「いきなりいなくなられたって、心の準備ってやつがだなぁ…」
ひとりつぶやいて、家に帰る。
いつもは二人で帰る、ひとりきりの帰り道。