*涼宮ハルヒ*

□プラトニックラヴ
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もう何度目か分からないキスをして、見つめ合って、またキスをした。





ふたりのあいだには、何もないのに。




*プラトニックラヴ*





「…っぁ……」


静かな部室で、甘い声が響く。僕の愛撫に感じてくれる彼が…うれしくて、少し切ない。


やさしく抱き締めて愛してるって言う、ただそれだけのことが許されない。告げてしまえば、たぶんすべてが終わる。

だから今日も、[気持ち良くなるため]だけに体を重ねる…ふりをする。



「こい…ずみっ…ゃ」

シャツのボタンを外しながら首筋にキスを落とすと、荒く息を吐く唇が抵抗の言葉を紡ぐ。

「どうして?気持ち良いでしょう?」

「っ…ぁ」


わざと音を立てて吸うと、ぴくんと反応する体がいとおしい。もっと求めてほしい、もっと喘がせたい、気持ち良くなってほしい。



「あとっ…付けんなっ……」


切れ切れの息でそんなことを言うから、一層なんだか切なくなって、半ば強引に噛み付いた

「痛っ…こら…っぁ…」

「見せ付けてやれば良いんですよ」


誰に?セカイに?
本当に知られたら困るのは自分なのに、そして彼なのに。

たった一言の真実も、臆病で言えないくせに
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