*SSS*
□*世界の終わりには君と*
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鉄の臭いがするコックピットで抱きあった
壊れた機体
徐々に奪われる体温
身体機能が低下していくのが分かる
彼の体も、小刻みに震えていて
あぁバカなことしてるなって思った
それでも、止まらなかった
「ねぇ、世界の終わりには一緒にいてくれるかい?」
重ね合う唇の隙間から
アレルヤに問われてくらりと目眩がする
謹んで辞退させて貰う、なんて軽口は叩けなかった
だってもう、選択肢は無さそうだから
「不本意だが仕方ない、一緒にいてやるさ」
そういって頬にキスを送ると、アレルヤが
あぁ君らしいねと笑った
かみさまなんかいない
願いなんて届かない
だから僕達は囁くべき祈りを心に仕舞ってそっと瞳を閉じた
どうかこの人が、そして世界が
幸せでありますようにと
*END*