企画べや!

□ボーしん
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ボーしん



腐ってしまうなら、いっそ自分の手で捨ててしまえばいい。

それが何十年も育ててきた「愛」だとしても。

May your days be filled with happiness.


「…ん、」


新聞配達のバイクの音に車のエンジン音。いつもと同じ朝がやってくる。

アラームが鳴り響かないのは設定していた時間よりも早く目覚めてしまったんだろう。

カーテンの隙間からは朝の光が指先に届いて、そこでやっと昨日の出来事が夢ではなかったということを証明してくれた。

ベッドの周りには散らかった衣服と、スナック菓子。食べかけのケーキ。使い捨ての、バースデークラッカー。

「んん、ボーちゃん?お…はよう」

「…お、はよう。しんちゃん…まだ眠っていても、いい。大丈夫」

「そーする、ぞ」

安心したのか、また深い眠りに落ちてしまったボクのしんちゃん。ボクも目を覚ましたばかりだから、まだ少しだけぼんやりとしている。

だけど、シーツの上に広げた両手の指を1本1本と確かめながら、やっぱり現実なんだと思った。

ボクは寝起きのだるい身体をベッドの上に起こすと、あたりをぐるりと見渡し昨日のことを考えてしまう。

連日、学校も休みな今。泊まりにきていたしんちゃんと、はじめて抱き合って眠ったのだ。言うならば記念すべき日と呼ぶべきだろうか。

(…落ち着かない…同じ朝、だとは…思えない)


「しんちゃん、好き」

「んん、俺…もだぞ…ボーちゃん」

「起きて、たの?」

「んー、ボーちゃんがキスしてくれたら起きる」

「…それじゃあ、しんちゃん…お姫様、になる」

「あはは、ボーちゃんが王子様?それもいいね」

しんちゃんは瞳を細め笑っている。ボクの大切な、しんちゃん。そしてボクの恋人。

しんちゃんは時折ボクの知らない顔を見せボクを不安にさせることがあるけれど、その気持ちでボクは成り立っている。

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