短編2[BL]

□きれいな絆
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※しん+あい+ネネ/アンケ企画
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恋は片想い、愛は両想い。一生、綺麗なままでいられるのが初恋だ。

だから、心はいつも、くだらないことで忙しい。


きれいな絆


「薄情ですわ」

「どうして?」

いまにも大きな雨粒が落ちてきそうなそんな空を見上げながら、ネネはあいの言葉に視線だけを巡らせた。

帰り道の交差点。信号は赤から青へ。けれど足は進む事さえ拒絶する。


「ライバルだと認めていたのに、あなたは、しん様を諦めるの?」

「……失望した?」

「失望しましたわ」

とても残念で、とても悔しい。とても、悲しい。

そんな言葉にネネはキャラメル色のカーディガンの袖で赤く腫れてしまった目元を覆った。


「…あなたって子供ね…あいは…悲しいですわ」

「…っ、自分で決めたことに、ネネが泣いたって何になるの!」


もう雨が降りそうだ。傘なんて持っていないし濡れて帰るのも遠慮したい。けれど走るのも億劫だ

しんちゃんを諦める、

たったその一言をライバルであり親友である彼女に伝えることにネネがどれほど苦労しただろうか


けれど、もう限界だったのだ。振り向いてもくれない相手に試行錯誤することは。嫌いと好きは同時にやってくる。


「それで、ネネちゃんは…しん様が、嫌いになりましたの?」

「…嫌い。なんて嘘。大好きよ、死ぬほど好き」

「あいもですわ。貴方とあいは…どこまでも似た者同士ですわね」

「ふっ、でも…しんちゃんはネネを愛してはくれなかった」


愛されたいって欲望で構成されたネネの世界は狭くて、とても不便。

それは、あいだって同じなんだろうけれど。それでもネネにはこれ以上の重みには堪えられなかったのだ。

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