短編2[BL]

□きれいな絆
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「恋は片想い愛は両思い、ですわ。ネネちゃん」

「…なにそれ」

「一度、好きになってしまった人を嫌いになれるほど単純ですの?」

その貴方の恋は。あいは震えてしまいそうな声を押し殺し、まだ雨の降らない空を見上げた。

好きな洋服も好きな色も好きな人も同じなんて、まるで運命みたいに必然的だ。けれどネネ達は選ばされている。

これからどうするか。その先の分岐点。恋が終わるタイミングなんていつも見失ってから気づいてしまうのに。


「…雨ですわね」

ぽつり、

降り出しはじめた雨にネネもあいも足がそれ以上に動かなかった。

分かり合うことにも限度があって共有することだって上手に出来ない。


ドラマや映画のように楽しいばかりの恋なんてないし愛や恋なんてものは美しくなんかないって知ってるけれど。


「でもネネちゃんのことは2番目に大切ですわ」

「ネネも同じこと思ってたの。2番目の人でこんなに胸が苦しいのに」


もし、しんちゃんに触れられたらどうなってしまうのか。無意味なそんないい訳ばかりを何十回、何百回。


「しん様、もしネネちゃんとあいが海で溺れていたらどうします?」

「助けるゾ」

「助けられるのはどっちか1人だけだったらどうする、しんちゃん」

「だったらどっちも助けない。でも俺は自分の命より2人が大切だぞ」



放課後の屋上。いつの話しだったか。しんのすけは冷たいコンクリートの上に寝そべっている。

眠たいのだろうかけれどにこり微笑んで答えてくれたしんのすけをネネもあいも思い出していた


あれがどう言う意味なのか未だにネネにもあいにも分らない。なんて。

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