短編2[BL]

□a new world
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※一周年(リト様へ!)
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いつから好きだったか、これが最後の恋じゃないのに、が百万回。

好きだって感情だけを溜め込んで友人の嘘をボクは重ねてきたのだ。

a new world


「ボーちゃん、俺のクラスにいる佐崎さんって女の子知ってる?」

「…知ってる」

「その子がね、ボーちゃんのこと好きなんだぞ」

しんちゃんの目の奥に潜むいつもより強い諦観。

ふふと一瞬、悩んで微笑んだしんちゃんにボクも偽りの笑顔を零す。


「でも、俺のほうが何倍もボーちゃんを愛してるんだぞ?本当だぞ」

「…しんちゃん」


適当に進んでいく毎日の中でそれ以上触れない変わりに失くしもせずに

そうやって過ごしていくには、もうお互い限界が近づいていた。


「…ねぇ、ボーちゃん俺達のこと誰も知らない場所に行きたいぞ」

「しんちゃんが行くなら、ボクはついてい、く」

一息に埋めてしまった距離を計るようにボクたちはいつも試行錯誤。

好きだけれどそれ以上を望むことは何だか神様に反抗している気分だ。


「…でも知らない土地だぞ?きっと怖いでしょ」

「逃げ場、だから逃げた先が楽な場所なんて…ないよ、しんちゃん」


にこり、微笑んだボクにしんちゃんは泣きそうな目でボクをみる。

家族も友人も捨てて、逃げた場所が楽園じゃないと知っているのに。


(それでも、ボクだって、考えてしまう。誰も知らない世界を)


「…ボーちゃん、今日…俺の家…誰もいないぞ」

「しんちゃん」

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