短編2[BL]
□しん+ひま
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「そう、ひまだけ。だから好きな時に俺に電話していいんだぞ」
「いつでも?」
「いつでも。ひまから来た電話はいつでも何時でも必ず取るぞ」
あの着信音が流れたら、それがどんなときだって優先するだろう。
「もちろん俺からもするぞ。寂しくなったら番号を押すだけでしょ」
「しんのすけ」
「今日みたいに1人で眠れなくなったら、ひまの処まで駆けつける」
念を押すようにして言うと、ひまは伏せていた目を上げ微笑んだ。
「しんのすけ」
「ほいほい?」
ひまわりの背中をさすりながら眠るよう促した。
どれだけ虚勢をはっても、まだ中身は可愛い妹のままだったのか。
「あったか、い」
「うん俺もだぞ」
ゆらりくらり
静かな寝息が聞こえてくるまで、さほど時間はかからなかった。
end.