短編2[BL]

□砂糖は幾つ?
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「黒磯さんが好きだったんだぞ?莫迦だと笑って、でも同情はしないで。同情からはじまる恋は黒磯さんには似合わないでしょ」

「…似合わない、なんて…どうしてそう思うのですか?それは…貴方のエゴじゃないんですか」


黒磯の声。それに混じるようにカランカラン、店内に響く、来客の音。

綺麗な女性が、辺りを見回し固まるしんのすけに女性は「お待たせ」と声をかけた。けれど、しんのすけは動かない。


「…お友達が待っていますよ、しんのすけ様」

「なんで、」

どうして、しんのすけは涙を浮べ、黒磯に訴える。悲しいのか泣きたいのかズルイのか。どれをとっても前者になってしまう。


「俺に同情なんてしないで…いいんだぞ」

「それは、同情じゃなければ貴方を好きになってもいいんですか?」


「そんな…言い方は…ズルイ…ぞ…卑怯でしょ」

「ええ、これでも貴方よりは幾分か長く生きていますので。それに私も与えられる愛だけで頷けるほど大人でもないんですよ」


夕暮れの喫茶店

もうすぐしたら、お嬢様の迎えに行く時間だ。



「愛されるなら愛したいと思うのが私の恋愛の仕方なんですが…どうですか?貴方の恋愛の仕方を教えて下さい」



握った、しんのすけの手を見つめ黒磯はやっと苦いコーヒーから解放されたのであった。





砂糖は三つ?




end.
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