短編2[BL]

□此処にいる
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マサしん



しんちゃんには片想いの人がいた(早く諦めてしまえばいいのに)

それを心の中で何回も唱えてしまうボクをしんちゃんは嫌うだろうか。


此処にいる


「好き、なんだ」


うっかり、

本音を漏らしてしまった僕にしんちゃんは少しだけ驚いた顔をした。

「…じゃぁ、俺と付き合ってみる?マサオくん」

「いい、の?」

「全然いいぞ」

恋愛に関して自由奔放な、キミの目が好奇心で溢れていたのを(ボクは)

そうだ、わざと知らない顔をして見逃したのだ。


「しんちゃん、今日の帰りはどうする?」

「今日は先約があるんだぞ、ごめんね。マサオくん!また今度ね」

「…、うん」

先約ってなに?ああ、あの人に会いにいくつもりなの?しんちゃん。

分かったよ。バイバイ。また明日。それは、もう何回目だろうか。

(ボクたちは付き合ってる…しんちゃんは了承してくれた…はず、だ)


だけど、

しんちゃんの態度は友達のときと、いやそれ以前に少し冷たくなった。


「…ような気がする」

「何の話しですか?」

「あ、いや…べつに」

何でもないんだと言いかけてボクはバイクのエンジンを切り替える。

いま、ボクの隣にいるのは以前、好きだと告白してくれた女の子だった。

勿論「悪いけど、ボクは好きな人がいるから」と告白を断った。

断った、はず、だ


「マサオ先輩の好きな人ってどんな人なんですか?教えて下さい」

「自由奔放、かな」

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