短編2[BL]
□月下と心中
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しんネネ(16禁)
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それは、
長い片想いだった
月下と心中
窓から差し込む月の光が、ネネの頬をかするように照らしていた。
「しんちゃ―…」
「ネネちゃん?」
ぺたんこのネネの胸。見慣れた黒髪が揺れ動く。
しんちゃんが動くたびに雨のような汗がネネの肌にぽたりと落ちた。
「し、ちゃ―…」
荒くあがる息の合間、
もう千切れ飛びそうな意識を必死でかき集め深く胸の奥で言葉を探す。
「しんちゃ!」
「どうしたの」
ようやくネネを見てくれたしんちゃんの眼差しに心臓が一層熱くなる。
しんちゃんが好き。しんちゃんが愛おしい。好きで好きで苦しい。
「せっくす、なんて…いや…ぁ、ん…も、いや」
「…、やめる?」
「やめない、で」
どっちなの、そう言ってしんちゃんは微笑んだ。
無茶苦茶にされたい。壊されたい。でも、そんな感情を知るのは怖い。
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