短編2[BL]
□絡まる愛
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「俺も見るぞ」
「…何、を?」
たまにね、と言いかけて、しんちゃんはナイフでピーマンを刺す。
「こうやって、嫌いな食べ物を無理矢理食べさせられる、夢とか」
「…、ん」
「それから、ボーちゃんに食べられちゃう夢も…みるんだぞ…俺」
「ボクに?」
サクッと、割って溢れた果汁の甘い香りに、胸の奥が熱くなる。
「これって」
全部あげたいって思っちゃうほどボーちゃんを愛してる証拠でしょ。
にこり、しんちゃんは笑ってボクのお皿から桃を一つ奪いとった。
「しんちゃん」
「……なぁに」
「愛して、る」
「…うん俺も」
しんちゃん笑わないで聞いてくれてありがとう。
そう伝えるだけなのに、ボクは泣いてしまった。
絡まる愛は、解ける事を忘れ
end.