短編2[BL]

□絡まる愛
3ページ/3ページ




「俺も見るぞ」

「…何、を?」

たまにね、と言いかけて、しんちゃんはナイフでピーマンを刺す。

「こうやって、嫌いな食べ物を無理矢理食べさせられる、夢とか」

「…、ん」

「それから、ボーちゃんに食べられちゃう夢も…みるんだぞ…俺」

「ボクに?」

サクッと、割って溢れた果汁の甘い香りに、胸の奥が熱くなる。


「これって」

全部あげたいって思っちゃうほどボーちゃんを愛してる証拠でしょ。

にこり、しんちゃんは笑ってボクのお皿から桃を一つ奪いとった。

「しんちゃん」

「……なぁに」

「愛して、る」

「…うん俺も」

しんちゃん笑わないで聞いてくれてありがとう。

そう伝えるだけなのに、ボクは泣いてしまった。


絡まる愛は、解ける事を忘れ


end.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ