短編2[BL]

□絡まる愛
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「一目で、しんちゃんの心臓だ…と分かってしまったことが問題、で」

「どうして?」

「それだけ、しんちゃんが好きなんだと思ったら…怖くなった、から」

「ボーちゃん…でも…だって…そんなの…ただの夢でしょ!…夢だぞ」

「うん、ただの夢」

でも、しんちゃん

綺麗なお皿の上に乗るキミの心臓はとても穏やかで鮮麗で美しかった。

ボクは、それを食べようと決意するんだ。しんちゃんが欲しかった。

しんちゃんの全部が欲しい、なんて欲張りなボク。好きで好きで怖い。


「…桃」

「桃?」

そうだ、桃!と、しんちゃんは食事をそのままに台所に掻け走る。

ダンボールに積まれた桃を手に、それをボクのお皿の上に一つ置く。

「しんちゃん?」

「…腐りかけの桃ってさ…ホラ…心臓に似てる気がするでしょ?」

「…、そうだね」

「いいよ食べて」

一箇所、二箇所もう変色している桃を突いて、しんちゃんは微笑んだ。

(ああ、夢と同じだ。こうやって、ボクは食べなきゃ、と決意するんだ)

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