短編2[BL]
□秘密ごと
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「左手は?」
「………そういう、あんたはどうなのよ。あんたから答えなさいよ」
飲み込んだアイス。いちご味だったから少しだけ口の中があまい。
甘くて、甘くて、夕日が傾くように胸の中で何かが吹き荒れる。
「あいは左手にしん様かしら?右手は…そうね」
「なによ」
何が言いたいの
それが顔に出ていたのかあいは優しく微笑んでその薄い唇を動かした。
「親友かしら」
「親友?だれ」
「あいの親友と言えば貴方くらいしか考えられませんわよ」
「…なんで、ネネなの。あんたみたいな世間知らずと親友なんて」
そんなの嫌。思えば思う程、自分の汚さが滲み出るようだったから。
だけど、
「…っ、ネネだって同じ気持ちよ。ネネだって親友だって思ってる」
「ええ、私達は親友でありライバルであり、大切な物の一つですわ」
同じ人を好きになった。悪いことも良いことも全て知っている。
鏡に映った自分のように相手をみたときもある。
「もし、あいが死んだら…あいの、お墓に赤い薔薇をお願いしますわ」
「…薔薇?」
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