短編[BL]
□好きです
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(しんのすけを理解できないのは悔しくて。理解されないことは辛い)
だけど、
「あんな…最後だけは許さないぞ、しんのすけ」
優しさで僕を追い出すのだけはやめて欲しい。好きなんだ、お前が。
切れてしまった携帯。その液晶画面を、たまらない気持ちで握り返す。
「…好きになるみたいに…お前を嫌いになれたら…楽なのに、な」
それがいつしか、お互いの為だったと思いたい。でも、できない。
考えても考えても「好き」だって言葉にしか到着してくれないのだ。
「しんのすけ、」
こんなにも愛している人間と永遠に理解しあうことは無いのだと。
そう、思ったら悔しくて…涙が止らなかった。
「風間くん?」
「…っ、しん」
しんのすけ。そこまで、やっと声に出して、落ちた涙を手で拭う。
「やっぱり…まだ帰ってなかったんだ…電話、したんだぞ?」
「電話?…あ、ああ…充電が…もうなく…て」
「あんまり俺を心配させないでよね、風間くん」
「…ああ、……」
悪かった、と言いかけて言葉が止る。そして怒りが込み上げた。
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