短編[BL]
□lovely baby
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ボーしん視点
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ずっと簡単だった
友達ってだけの境界線に立っていると言うのは。
「しんちゃん?」
「…ボーちゃん」
うう、と呻いた俺にボーちゃんは、どうしたの?と頭を傾ける。
高い鼻も切れ長の瞳もゴツゴツした手も長い足も、サラサラな髪も。
(全部、好き)なんて言えちゃうほど、俺はボーちゃんが愛おしい。
「しんちゃん、これ…しんちゃんが観たいって言ってた映画、」
「…うん?」
目の前に差し出された、ボーちゃんの手に掴まれた映画のチケット。
え?これって。
「嘘、ボーちゃん…どうしたの?コレ」
「知り合いの人に…もらって…しんちゃん観たいって言ってたから」
どうするべきか、俺をみてチケットを見て微笑むボーちゃん。
俺のために用意してくれたのかな、なんて思ったら凄く嬉しくなった。
「っ、行く!絶対にボーちゃんと一緒に行く」
「うん、行こう」
はい、そう言われてボーちゃんの手からチケットをうけとった。
ピラピラのその紙に沢山の感情が溢れては重なる。鼓動が木霊する。
「楽しみだね」
「…おお、!」
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