短編[BL]
□2人の場合
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しんのすけの場合
「野原先輩、好きです、付き合って下さい」
「おお、ありがとう。でも、ごめんね」
どうしてですか?そのいつもの問いに、ごめんねとしか返さない。
好きな人がいるんですか?そのいつもの問いには、うんと答える。
「好きになってくれて嬉しいぞ。これからは友達として宜しくね」
「友達、ですか」
「うん、駄目?」
にこり、そんな効果音がつきそうな笑顔に目の前の少女は頬を染めた。
可愛いなぁ、と思いつつも年下は妹と同じ対象にしか思えない。
「またね、バイバイ」
「は、はい!ありがとうございました野原先輩」
ペコッと頭を下げて去って行く後ろ姿。あ、ネネちゃんと似てるかも。
何処がって背格好とか、髪型とか。ちょっと勿体無いことしたかな。
「あ、野原!」
「ほいほーい」
教室に戻ると、数人の女の子に囲まれ口に含んだ飴が更に甘くなる。
手や背中、ベタベタ遠慮なく触ってこられると少しだけいやな気分。
「どしたの?」
「ねぇ、トモコ先輩と別れたって本当なの?」
トモコ先輩。そう言えばそんな女性と付き合っていた気がする。
こう言うのを悪い癖と言うのだろうか。風間君ならいいそうだ。
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