短編[BL]
□2人の場合
2ページ/7ページ
「どうしたの?最近、顔色が悪いけど無理はしちゃ駄目だぞ?」
放課後の教室、日誌を書く手を止めて、しんちゃんの顔をみた。
いつ、見ても整った髪型。長い指。どれも、ネネの好きなもの。
「しんちゃん、また女の子の告白を断ったでしょ?噂になってるわよ」
「女の子の噂って母ちゃんの近所話と一緒だぞ」
井戸端会議?女の子って飽きないね、そう言うの。しんちゃんは苦笑い。
でも、そう言われてみればそうかもしれない。
「女の子だもの」
「そういうネネちゃんは彼氏と危ないんでしょ」
しんちゃんの夕日を浴びた横顔、格好良いと思ったのは百回目。
ただ、それを言ったことがあるのは無に等しい。
「…しんちゃん、どうして知ってるの?」
「噂だぞ、噂」
「…いやな噂」
日誌の表紙に溜息を零し、椅子から立ち上がる。
これを持っていけば今日の日直という仕事は終わる。急いで帰りたい。
「……ネネちゃん」
「何?しんちゃん」
「ネネちゃん、もうちょっとしたら誕生日でしょ。欲しいモノある?」
.