短編[BL]

□拍手文SS
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<シロVSネネしん>



先手必勝

この言葉が、いまなら何となく理解できる。


「あのぉ〜…」

「なによ!!」

イライラしているネネちゃんに、何故か天敵を前にした様子のシロ。

その上、俺と言えばネネちゃんとシロに挟まれている状況だ。


右手にネネちゃんの腕が絡み左足にはシロの口がジーンズを引っ張る。


「シロも、ネネちゃんも何を睨み合ってるの」

「これはシロとネネの問題なの!しんちゃんはどっちの味方をするの」


「わんわん!」

「…シロまで」

何言ってるの。ネネちゃんとシロって仲が良いのか悪いのか分らないぞ。


「しんちゃんはネネとシロどっちが好きなの」

「どっちも」


「そう言う答えはナシ!今ここで選んで!」


ギャンギャン、シロまで同じことを言っているのか俺に吠え掛かる。

シロは家族でネネちゃんは恋人。大切って言うには誤差がある。


「ネネちゃんは恋人…だから…そりゃ大事だよ」

「しんちゃん!」


喜ぶ、ネネちゃんとは反対にシロはさらに真っ青な顔になってしまう。

あ、可哀想なことしたかも。そう思った途端、ひまが顔をだす。


「お兄ちゃん、シロが可哀想。シロが好きじゃないの?お兄ちゃん」

「ひま…っ!」


じっとひまわり、そしてシロにまで見つめられたら弁解のしょうもない。


「好きに決まってるでしょ!ネネちゃんもシロも同じくらい!」

その言葉にシロは微笑み、ひまわりは満足そうにアイスを頬張った。

あ、それ俺のアイスだぞ。ひま。けれど、隣のネネちゃんが少し怖い。


「…嘘つき」

「ネネちゃ」


やばい。これは非常にやばい。ネネちゃんってば涙目で…うわぁ。

その視線は卑怯だぞ。ネネちゃん!でもこれも惚れた欲目だろうか。



「ネネちゃんが1番好きだぞ、知ってるでしょ」

「しんちゃ、」


シロとひまわりが後を向いたその、一秒の瞬間。

しんのすけの唇がネネの頬にやさしく触れた。



「大好き、だぞ」

「………ばか!」



I willsurely fall to love(きっと恋に落ちる)


end.
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