短編[BL]
□拍手文SS
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<しん+ネネ>
放課後の喫茶店
夕日が沈むのも忘れ、話題は好きな女の子の話しになった。
「ボクはあいちゃんみたいに美人な子がいいな」
「ああ、確かにあいちゃんなら10人中9人は美人だって思うだろうね」
マサオ君の言葉に風間君が納得したように頷く。
ボーちゃんは小さくなった氷をグラスの中で静かに傾けていた。
「…ふん。どうせ、ネネは美人じゃないですよ」
ネネちゃんの怒りを含んだ微笑みにマサオ君が慌てて苦笑いを浮べる。
「ネ、ネネちゃんも美人だよ…しんちゃんだってそう思うよね?」
「そうですなぁ」
数秒考え、ネネちゃんのパフェにささったポッキーを歯で噛み砕く。
「100人中だったら1人はそう思う人がいると思うぞ、ネネちゃん」
「…、」
ネネちゃんの苺パフェ。ネネちゃんのスプーンからアイスを口に運ぶ。
甘い味が広がってマサオくんが真青な顔をした。
「…どうせ、ネネは100人いても1人だけですよ」
泣いているのか、悲しいのか、ネネちゃんは複雑な顔を持ち上げる。
美人っていうよりは、そういうところが可愛いと俺は思うワケだけど。
「ネネちゃんを可愛いと思うのも美人だと思うのも俺だけでしょ」
「しんちゃん?」
パクッと、さくらんぼを飲み込んでネネちゃんの頭を優しく撫でる。
「100人中、1人って言ったでしょ?」
放課後の喫茶店
(話題は好きな女の子の話しになった)(つまりは100人中1人ってワケで)
end.