短編[BL]
□お綺麗な愛
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「骸、寒くない?」
「ええ、君は子供みたいに温かいですからね」
抱しめられた綱吉の身体はスッポリと骸の胸の中におさまった。
綱吉はありあまる優しさで骸の背に腕をまわす。
「骸、」
ありふれた愛
それがどんな状況においても不利になることは誰にでも分っていた。
けれど、ここで手放してしまえるほど簡単な愛でもなかったのだ。
「甘いですよ、君」
「甘いのは骸だよ」
分っていた。この感情が僕を弱くさせ、そして君を強くするのだと。
子供のように笑って泣いて怒って甘えたらきっと楽なんだと言う事も。
「砂糖みたいに甘い」
「それは君もですよ」
(…だからこそ、)
呼吸を覚えたようにそうして僕は「恋」を知っていきたいのです。
「Arrivederci」
end.