短編[BL]
□お綺麗な愛
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「君をみていると…僕は胸が痛くなりますよ」
「…ああ、」
「君の声を聞くと耳障りです。…だが聞えないと居心地が悪い」
「…うん、」
骸の大きくも小さくもない闇に溶け込んだ言葉。
綱吉はコクり、コクリッと頭を上下に動かした。
「骸、オレはお前の顔をみていると悲しくなる」
「恥じることはありません。それは僕もですよ」
「お前のことを考えると涙がでて…でも会いたくて仕方ないんだ」
会いたくて会いたくて、もしかして骸が泣いていたら、なんて。
そんなことばかり考えては小さな心臓は銃で撃たれたように音を失くす。
「ボンゴレ…僕には君が必要です…君を…僕は」
「骸?」
開け放たれた窓
夜の風はこんなにも冷たいものだった?骸は綱吉の腕を引寄せる。
「…簡単に僕に体をのっとられてしまいますよ」
「警戒心をもて?でも…そんなこと骸はしないだろ?必要ないよ」
触れた指先、合図と伝言。君の言葉は言霊なのか
熱くて、ああ、そうかこれが人の弱さ。人の業。
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