短編[BL]
□春眠暁を覚えず
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「ッオイ、野球バカ」
山本の胸グラを掴んだまま獄寺は口を開いた。
それは綱吉がもう一度、何かを言おうとしたのを遮って聞える。
「初恋だとか、そんなことはオレには関係ねぇ」
「…、だな」
綱吉を挟み、当事者には分らない2人の内容に綱吉は疑問符を浮かべた。
ここで何の話し?と聞けるほど甘い雰囲気でもないから余計に困る。
「大体、初恋ってのは実らねぇのが決まりだ」
「そ─なのな」
でも、それがどうしたと言わんばかりの山本の答えに獄寺の舌打ち。
「言っておくが10代目の隣にいるのも右腕になるのもオレだからな」
「前から思ってたけど獄寺って面白ぇ─奴な」
はは、と獄寺の掴んだ腕を外し山本は息をはく。
「…だが、オレもツナの右腕を譲る気はないね」
山本が笑い獄寺がダイナマイトを取り出す、目の前には大きな爆発。
けれど綱吉にはいつから自分の話しになったのかそれが不思議だった。
「2人とも一体、さっきから何の話しをして」
「な─に、ツナのことをどっちが本気で好きかって話しさ」
「んなっ!!」
何の話しだよ!それ!綱吉は飲んでいた苺牛乳をブバッと吐いた。
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