短編[BL]

□愛されていたい
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しん→←あい+防衛隊



恋は落ちるものだ

落ちて、落ちていつか遠くに消えていくものだ。


愛されていたい


「…うわ」

「凄い人」

きゃーと響く甲高い女性の声援と、しん様の名を叫ぶ大熱狂。

スパイクがキュキュッと体育館の床に擦れ、ボールが太鼓を鳴らす。


「しんちゃん、凄い」

「運動神経と悪運だけは強かったからなアイツ」


試合中のしん様を見つめ、ボーちゃんは聞えない声で呟いた。

風間くんはそんな、ボーちゃんとしん様を見比べ少しだけ苦笑い。


「しんちゃんを正式な部員にしたい人って多い」

「…でも、しんちゃんは何にも執着しないわよ」

「そうだね」

ボーちゃんは持ってきていたタオルを握り、マサオは微笑んだ。

そのなかで桜田ネネだけは少し不機嫌そうな顔。


「もしかして、しん様が魅力的な男性だと今更、気付きましたの?」

「…しんちゃんはしんちゃんよ。魅力的だとかネネには関係ない」


あいは観客席のほとんどが女子生徒であることに溜息をはいた。

その目的が、しんのすけを観るためなのだと分かっていたからだ。

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