短編[BL]
□世界は妄想
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しん+ネネ
しんちゃんと生きていくと決めた日。ネネは夢から覚めた気分だった。
世界は妄想
「サボり?」
「ネネちゃんこそ」
フッと笑いながら、しんちゃんは屋上近くの階段で瞼を閉じる。
近くには転がされた携帯とスナック菓子の山。
「ネネはいいの」
「ネネちゃん何かあったでしょ?彼氏と別れた」
正解?まるで全て知ってます、って顔をしてしんちゃんは笑った。
ボロボロ、流れた涙はそれを肯定してしまう。
「慰めて」
「いいよ」
チュッと軽いキス
離れたかと思えば今度は泣き腫らした瞼に唇がゆっくりと落ちる。
「キスすることがしんちゃんの慰め方なの?」
「これは特別だぞ」
やわやわと慰められる大きな手。しんちゃんは優しく頭を撫でる。
手馴れた手つきでネネの髪に触るしんちゃんはネネだけのもの。
「どうして別れたの?ネネちゃんを大切にしてくれる人だったぞ?」
「…ネネの髪を触ったから…イヤだって言ったらこうなったのよ」
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