短編[BL]
□世界は妄想
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そういったら、しんちゃんは「あー」と言ってネネから手を離す。
「しんちゃんは特別」
だから続けて
そう言ったら、しんちゃんは「よしよし」と今度はネネを抱しめた。
「…ネネ、しんちゃんのお嫁さんになりたい」
「駄目だぞ」
しんちゃんはネネを優しく抱しめながら膝の上にネネを乗せた。
ネネちゃん軽いね、そう微笑んでまたネネの頭を優しく撫でる。
「どうして?」
「ネネちゃんが大切だから。大切なものこそ遠くに置きたい主義なの」
「ネネが大切?」
「凄く大切だぞ」
「風間くんよりも?ボーちゃんよりもマサオくんよりも誰よりも?」
「当たり前でしょ」
ねぇ?知ってる
しんちゃんの何気ないその言葉が、ネネは涙が出るほど嬉しいんだよ?
「しんちゃん…ネネはしんちゃんと生きていく」
「ネネちゃん」
呆れるわけでも馬鹿にするわけでもなく、しんちゃんはネネをみる。
整った鼻筋が触れて息が出来る距離にしんちゃんの顔があった。
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