短編[BL]

□方程式はマイナス
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しん風しん+あい



ボクは頭がいい

けれど馬鹿でもある

方程式はマイナス


「A rose by any other name would smell as sweet.」

「風間くん?」

「あいちゃん」


風間は溜息をつきながら荷物を抱えている酢乙女に気付いた。

同じ高校に通いながらもこうして廊下ですれ違うのは数える程度。


「珍しいね、あいちゃんがこっちの校舎にいるなんて黒磯さんは?」

「黒磯なら今日は休みですわ。それより風間君」

さらりとした長い髪。ネネちゃんが可愛いの部類なら彼女は美人。

どんな高級な洋服にも勝ってしまえる美貌が風間には羨ましかった。


「この荷物、半分持ってくれない?それとも今いそがしい?」

「ああ、ううん…ごめんね…気付かなくて」

よいしょ、そう言って半分とは言わず全部の荷物を持ち上げる。


「どうしたの?この荷物…靴とか洋服とか化粧品とか入ってるけど」

「黒磯もいないし今日の放課後に、しん様に会いに行く予定ですわ」


いつも黒磯がいると会いたくても会えないからだと酢乙女は微笑んだ。

これだけの美少女に幼稚園の頃から好意の視線を注がれるしんのすけ。


「他の奴等が、こんなこと知ったらきっと学園中、大騒ぎになるよ」

「当たり前ですわ」

学園のマドンナ、そう言っても過言じゃないほど彼女は綺麗だ。

風間さえ、たまに彼女の微笑にはクラリッと来てしまう。

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