短編[BL]

□方程式はマイナス
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「風間くん、シェークスピアが…お好きですの」

「え、?」


「A rose by any other name would smell as sweet.ですわ」

「ああ、シェークスピアの名言だからね好きだよ。あいちゃんは?」


「あいも好きですわ」

「薔薇はどんな名前で呼んでもよい香りがする」


酢乙女の言葉に続き風間はゆっくりと瞼を閉じた


「いい言葉ですわ」

「実はこれロミオとジュリエットを読んでから好きになったんだ」


「そうですの?」

「おおロミオ!どうしてあなたはロミオなのって場面知ってる?」


教室のドアを開け

風間は長い指で荷物を置いていく。窓からは涼しい風が吹いた。


「ええ、確か…ロミオという名をお捨てになるのですわよね」

「うん、でも名前を捨ててもロミオはロミオ、薔薇は薔薇」


ジュリエットの苦悩はその存在がある限り続いていくのだ。

そう思うと何だか風間には自分のようで読んではいられなかった。


「あら?でも、あいはしん様がしん様ならそれで十分ですわ」

「あいちゃんらしい。じゃぁボクはもう行くよ」


「ありがとう風間」



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