短編2[BL]
□しん+ひま
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しん+ひま
「しんのすけ」
深夜2時
そろそろ寝ようかと布団を敷いていると扉の向こうから妹の声がした。
どうしたの、と答えると、ひまわりはそっと扉を開け俺をみる。
冷たい冷気に震わせた身体を頼りなく部屋の中に滑り込ませた。
「…ひま?」
「あの、ね」
両手に抱えるようにして持っていたのは、ひまが愛用している枕だ。
言い難そうに俺をみるあたり、まだまだ子供だなぁと思っちゃう。
しんのすけは、そのまま自身を布団の中へ押し込むと手招きをした。
「おいで、ひま」
「…、いいの?」
「1人じゃ眠れないんでしょ?一緒に寝るぞ」
ひまはホッと息を零し、そろそろと近づいてきた。猫みたいだ。
布団をめくり入るように促すと、少しだけ幼く頬をそめる。
「どうしたの?」
寒くないように、と布団を肩までかけてやりながら聞き返す。外は雨。
もう、ひまわりも13歳だからだろうか。少しだけ布団が狭く感じる。
(それにしても珍しいなぁ。一緒に眠るなんて小学生以来だぞ)
いつもは誘っても嫌だと断るくせに、今日はどうしたと言うのか。
「しんのすけ」
「…なぁに?」
ひまわりはしんのすけを見上げ言いにくそうに長い睫毛を伏せた。
背を撫で根気よく待っているとやがて「ひまね、」と口を開いた。
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