短編2[BL]

□秘密ごと
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あいちゃんとネネちゃん2人の内緒話/死ネタ



秘密ごと


親友でライバルで大切で、きっとネネ達は出会うべくして出会ったのだ。


「しん様が好きですわ。勿論、愛してますわん」

「…、今更ネネに言わなくても…知ってるわよ」


高校の校舎裏に建つ、使われていない小学校の旧校舎。

そんな、場所で何を思ったのか、ネネ達は夕日を眺めていた。


「欲張りですわ」

「……欲張り?」


「あいの手は2つですのに2つ以上のものを抱えこもうとしてますの」

「……例えば?」


遠くからきこえる、野球部の声、合唱部の音。

ネネ達は、同じ購買のアイスを口に放り込みながら目線を合わせた。


「あいは母も父もおじい様もおばあ様も黒磯も、しん様も大切なの」

「だったら、ネネだって欲張りよ。ママもパパも…しんちゃんも大切」


同じことでしょ。同じものが大切だってことはこう言うことでしょ。


「全部、大切だから…傍にいてほしいなんて…欲張り過ぎですわ」

「ネネは風間君もボーちゃんもマサオくんも大切だからずっと一緒よ」

多分これからもきっと。でもそれは子供と同じ理屈なのかもしれない。


「…手は2つしかないですわ。それ以上は欲張りじゃなくて?」

「だったらネネは右手にしんちゃんで…左手は」


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