短編[BL]

□春眠暁を覚えず
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山本→ツナ←獄寺



初恋の最大の魅力は

「恋がいつかは終わる」ということを知らない点にある。



春眠暁を覚えず



「なぁ、獄寺」

「あ?何だよ」


獄寺は屋上から見上げる空を一喝しオレに曖昧な視線をおくる。

ツナがまだ来ないのが不安らしい。いや、オレと一緒なのが嫌なのか。



「ツナならもうすぐしたら来るだろ。それより少し話せねぇか?」

「勘違いしてんじゃね─ぞ今までテメーと話してたのは10代目の為だ」


大体、テメーと同じ空間にいるのも嫌だね!

そう言い切った獄寺に山本は苦笑いを浮かべた。


「ははッ、想像以上に嫌われてんのな」

「ったりめーだ」


手馴れた手つきで煙草を吸いながら獄寺は地面に灰をおとす。

その光景をただ呆然と見つめ山本は息を潜めた。


「なぁ獄寺。おまえの初恋ってやっぱツナ?」

「…っるせぇ、10代目が初恋なわけじゃねぇ」


「そうなのか?」


獄寺の答えに山本は少し驚き、それからそうかと1人笑顔を浮かべる。

安心したような的が外れて落ち込んだような不思議な気分に囚われた。


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