ちびまる子/他短編

□好きです多分
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大まる



正直、あたしゃ本当に自分が女かどうか疑いたくなる時があるよ。

はまじや関口、ブー太郎とは昔の癖が抜けないのか高校生にもなって一緒に遊んでしまえるレベルだし。

周りの女の子がダイエットだったりアイドルだったり、お洒落や恋の話をしているときでさえも話題には踏み込める勇気がない。

疎外感は男子と同じで遠巻きに女子が騒ぐのを見つめているくらいだ。そもそもどうしたら、そんな可愛い生き物になれるんだろうか。


「ふ、あたしゃ駄目な女さ」

「まるちゃん?どうしたのいきなり」

「…たまちゃん。私が男だったらお嫁さんはあんただよ」

と半分ほど食べ終えている、お弁当を見つめながら溜息を吐く。

卵焼きにウィンナー。冷凍食に、おにぎりがふたつ。比べて親友の、たまちゃんの中身と言えばサンドイッチと果物がひとつ。

そんな量じゃ、あたしゃ足りないよ…と、どうでもいいことを一瞬だけ考えて卵焼きを箸でつついた。


「ダイエットして可愛くなりたいって…みぎわさんが言ってたけど私には無理な話だね」

「まるちゃんは、そのままでも十分だと思うよ」

「…たまちゃん、あんたは天使だね」

「そんな大袈裟だなぁ。でも本当にそう思ってるからね」

「たまちゃん」

にっこり笑って微笑む私の親友はもうアレだね。偉大だね。杉山君が惚れてしまうのも分かるよ。納得するよ、あたしゃ。

そう言えば、たまちゃんもあんまり私の前では好きな人のこととか喋らないね。

(やっぱり気になる人くらいはいるんだろうけどさ…そうなるとやっぱり相手は杉山君?)


「たまちゃんは好きな人いるの」

「まるちゃん?」

「ちょっと女の子らしく恋の話でも如何かね」

「…おじさんくさいよ、まるちゃん」


今日は本当にどうしたの?って相当、心配されてしまう私って一体何なんだろうか。

トホホ、普段どれだけ女の子の話題に慣れていないのかあたしゃ身をもって理解したよ。

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