D.Nover再録
□NO.3
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【背中から伝わる温もり】
AM.4:30
まだ薄暗い中。海沿いの道路をヒバリさんのバイクで走っている。
もちろん俺はバイクにのってる訳じゃなくて、俺はヒバリさんの後ろにのっているのだ。
辺りは静かで、この時間がだすれ違う車はほとんど無く、たまにトラックが通り過ぎて行くだけ。
朝方の空気は冷たく頬を撫でてく風が心地よかった。
ただ、右側に見える海の上の空には雲が掛かってしまっていた。
俺は、きっと朝日が見えていたらもっと綺麗だったんだろうな、なんて思いながら海を見ていた。
「綱吉」
「なんてすか?」
「今日は雲がかかっちゃってるね」
「え?」
空。っといきなりヒバリさんは俺に話しかけてきた。
俺はビックリしながらも、そうですね、なんて答えたけど、ビックリしたのはいきなり話しかけたからだけじゃなくて、どうやらヒバリさんも俺と同じ事を考えていたらしいから。
どこか、胸の奥が暖かくなる感じがした。
「ちょっとスピード上げていい?」
「あ、はい。」
じゃぁ、しっかり捕まってて、っと言うとヒバリさんのお腹辺りに回していた俺の腕を更に強く抱き締めるよう引っ張ったから俺は遠慮なくさっきよりも密着する様に抱き付いた。
密着すると、ヒバリさんの背中から伝わる温もりが心地よかった。
「ヒバリさん・・・大好き」
バイクの音が響く中ボソッと言った言葉だから伝わったか分からないけど、自然とこぼれていった言葉。
「ねぇ、綱吉。帰り僕の家でいい?」
「え?」
「いろいろと我慢できない。」
その言葉に頬が熱くなるのを感じたけど嬉しかった。
「ちゃんと、最後送ってくださいね。」
「…帰さないかも。」
え!!っと思いながらも嬉しくて、やっぱり俺はこの人が大好きだ。
すると、突然右の方から光があたりビックリして見ると、雲が少し薄くなって途切れた隙間から朝日がこぼれていた。
明るい朝日はとって綺麗で、眩しかった。
もうすぐAM.5:00
二人がどこに行っていたかは、ご想像にお任せします。(たんに暁が考えてないだけです。ペコペコ…