novel
□物語〜TIDUS side〜
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『誰かに呼ばれた気がした』
海の中で、ティーダは目を覚ます。
『優しくて、温かくて』
『俺の名前を何度も、何度も』
一度はその物語を終えた。
終えたはずだった。
ふと、ティーダの前に幻光虫が。
その幻光虫を通して映像が流れ込む。
―まだ、分からないんだ―
『祈り子の声・・?』
「それでも一緒に歩きたい」
―やってみる―
『まだ、終わってない・・・?』
そう、彼の物語は終わっていない。
たったひとつの、強い祈りによって、
彼の物語は、再び動き始めた。
『ユウナ・・・。』
ティーダは、愛しい彼女の名を呟く。
そして、決心したように
『逢いに行くよ。ユウナが俺を呼ぶなら、どっからでも飛んで行く!』
『約束、したもんな・・?』
ティーダは海面を目指して泳ぎだす。
『俺の物語。ユウナと一緒に!』